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小屋の音 coya-note

ニッケ鎮守の杜にある「galleryらふと」と「手仕事の庭」のこと。

梅づくしの会

6月10日、らふとでは、梅づくしの会がありました。
案内役は、石田紀佳さん。

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昨秋に植えた梅の木3本。
手仕事の庭に注ぐ太陽を浴び、
そよぐ風に揺れ、
つぼみとお花と楽しませてくれたあとは、実の恵み。
そして、展覧会中だった中本純也さん、理詠さんは、
和歌山県龍神村産の梅を届けてくれました。
ふくふくぷっくり、青い梅。

梅づくしの会、
まずはお庭の梅の実の収穫からはじまります。
初めての収穫の梅の実は、
上出来のものから、かわいいものまで、全部で440グラム。
しょうゆ漬けにしました。
らふとのイベントのお料理でお出しできたら、と思います。

そして次は龍神村の梅の出番。
赤紫蘇梅干しは、黄熟した梅を使いますが、
らふとでは、青梅を塩漬けにする、白梅をつくります。

‥白梅、初めて聞きました。
 赤紫蘇もいれませんので、
 「最初は、まるで青白いしわしわのゴーストみたい!」と。
 それでも。
 石田さんが初めて白梅を作ってから、じっくり、待つこと5年。
 なんと梅は赤くなり、旨味がでてきたそうです。
 薬効もあるそう。

白梅づくりのデモンストレーションを通して、
梅干しづくりを教わります。
容器の消毒から、梅の下ごしらえ、漬けてからのこと。
みなさん、熱心に質問をしています。

ume-barでは、
石田さんが今まで作ってきた、
熟成年度の様々な梅干しや、
梅酒、みりん梅酒、梅ジュースに、
きんぴらに、煮色サラダに、きゅうりとトマトに梅しょうゆのかけたのや。。。
まさに、梅づくし。

noriume.jpgumenomimono.jpg


きんぴらにどんな風に梅が関わっているかと言うと、
梅酒に漬けていた梅を刻んで炒めてあります。

食べ物だけではありません。
梅は工芸にも使われます。
このume-barのお料理の中にも、梅と工芸にまつわるものが。
煮色サラダの煮色、とは、
金工の世界で、銅を加工する時に、
まず大根で銅を洗って梅酢で煮て色をつける、
その色を煮色というのだそうです。
だから、煮色サラダとは、
大根サラダに梅酢(梅を塩上げする時に出るもの)ドレッシングをかけたもの。
なるほど、です。

barの最後は、梅ケーキと烏梅茶。
烏梅茶のすっぱさとスモーキーな独特の味わい、なかなかのものです。
烏梅(梅の薫製)は、染色の媒染剤としても使われます。

まず、仕込みが、初めの一歩。
そしてじっくり時間をかけて、育て、味わう。
今回、梅づくしの会そのものの時間は2時間半程でしたが、
石田さんが、その時間の中でお話してくださったことや、
いただいたお料理は、
石田さんが10年間漬け続けてきたからこそのものでした。
2時間半の間に、10年分の時間がぎゅっと詰まっていたよう。
ご参加のみなさんからの質問も多く、
梅づくしの会を通して、
きっと、もっともっと知りたいことが増えたのではないかなと思います。
梅の深さ、はかりしれません。
でも、その深さを知って、取り入れられるところを取り入れてみる。
そうすることで、ぐんと、自分の深さも増すように思います。

みなさんには、
龍神村産の梅をお持ち帰りいただき、
さて、お家に帰って、何を仕込まれたのでしょう。
石田さんお手製の梅ノートには、
梅酒に梅シロップに梅干しの作り方が載っています。



1月のお味噌に続き、今度は初夏の仕事。
ひとつひとつ、"季節の仕事"が、生活の中に入ってきています。
私も早速、梅ノートを片手に、
龍神村の梅で、いろいろと仕込んでみました。
まだ漬けたばかりですが、白梅は5年後を楽しみに。
梅干しも私も、そのころはいったいどうなっているのだろうと。
共に熟成、できているでしょうか。
熟成待つ間も、毎年新しく漬けて、新鮮なものに触れながら。

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